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原石の特徴をみる |
ひがし大雪(上士幌町)の黒曜石 北海道では黒曜石を「十勝石」とよんでいる。考古学か鉱物に関心でもない限り、「黒曜石」といっても、それが十勝石のことをさしているとはなかなか受け取ってもらえないほどローカルネームが徹底している。北海道の黒曜石四大産地(白滝、十勝、置戸、赤井川)ですら呼び名はすべて「十勝石」である。 その黒曜石の代名詞となっている原産地「十勝三股」は、大雪山の東のゲートタウン上士幌町の北端にある。もちろん町内では広範囲で黒曜石を採石できるが、これまでの調査では、あくまでその源流は「十勝三股」とされていた。 しかし、私自身は、石器の再現や研磨加工を通して採石した場所によって硬度、光沢などに微妙な違いがあることを感じ、同一の黒曜石ではないと考えていた。 1997年、黒曜石の産地特定の研究を進めていた鳥取大学の吉谷昭彦教授と巡り合い、ひがし大雪博物館の協力を得て町内の主な産出地を調査し、氏がサンプルを採取・分析する作業を5年間にわたり行ってきた。2001年3月、吉谷氏によって分析報告がまとめられた。その結果、手の感触が感じ取っていた石質の違いによる分類と、吉谷氏が行った微量元素組成分析による産地特定分類とがほぼ一致したのである。 この地域では、5地域で8種類の黒曜石が生成されていたというのが私の現時点での見解である。 |
@ 十勝三股 13の沢沿いにある原産地。白い縞模様入ったものと、黒または黒に茶色が混ざったものの2種類の黒曜石がある。 |
A タウシュベツ 糠平湖北岸のタウシュベツ川沿いにある原産地。黒色で透明度の高い硬質なものと、それより若干硬度の低いものの2種類の黒曜石がある。 |
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10km
碁盤の目のように見える明るい部分は十勝平野北端の田園地帯です。 画像のほぼ中央の湖は糠平湖、その下の湖は然別湖です。 |
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B 糠平湖右岸 表面の風化が見られず、全体が黒曜石独特の黒い光沢を放っている。 |
D オリベ 平野全体の地中にあり、 球状ではあるが、トゲトゲ しい石肌のものと、表面 がクレーターのような穴 に覆われているものの 2種類の黒曜石がある。 |
C 芽登川 オリベ産と同様の形状、黒または黒に茶の模様が見られる。 |
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